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『続いてのニュースです。……〇〇県□□町の交差点で人身事故が発生しました。車を運転していた容疑者は酒に酔っており……』
リモコンに手を伸ばし、テレビの電源を消した。
部屋の中はまた静かになり、風の音が聞こえるほどだ。
茜色に染まりだした空がやけに眩しく感じる。
日が沈んでいくのだろう。その様子は俺の部屋からは見えないものの容易に想像出来る。
「ふぅ……」
大きく一息吐き出し、倒れ込むように枕に顔を埋めた。
少し粗い枕の生地が頬を刺激する。
はぁ……今日もまた一日、何の意味も無く過ぎ去っていく。
今、俺のやりたい事はなんだ?
俺はこの先何をすればいい?
俺は何のために…………。
静けさとともに程よい眠気が押し寄せてくる。
おかしいな……あんなに授業中寝てたのに、まだ寝足りないのかよ。一体、俺はどれだけ寝ればいいんだ?
枕に突っ伏したまま瞼をゆっくりと閉じる。
だんだんと意識が薄れて、俺は眠りの世界へと旅立った。
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