373人が本棚に入れています
本棚に追加
いきなり頭をド突かれて目が覚めた。
たんこぶが出来たんじゃないかというほどの痛みがズキズキと後頭部を襲う。
「いつまで寝てんの!? このボケ優太!」
痛みを味わえど、寝ぼけ眼な事に変わりはなく、虚ろな瞳で俺を殴ったであろう人物を眺める。
視線の先には着替えを片手に持ち、苛々とした様子で目を釣り上げている夏子さんが俺を睨み付けていた。
「おろ……どうしたんですか夏子さん? てか、無茶苦茶頭痛いんですけど……」
「当たり前じゃない。本気でぶん殴ったもの。ドア開けっ放しで、ガァガァといびきかいて爆睡とは……良い御身分ですねー」
おいおい……殺す気ですか、この暴力寮長さんは。
目の前で目を釣り上げたまま不敵に笑う夏子さんがなんとも恐ろしい。
「それで、一体今が何時だと思ってるのかな?」
「……え?」
ぼやけた視界のまま枕元のデジタル時計の表示を見る。
「11時……15分ですね…………ッ痛っ!!」
再び俺の後頭部に激痛が走る。
俺はそのまま、また枕に突っ伏した。
最初のコメントを投稿しよう!