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「ふぅ……ひでぇ目にあった……ッ痛! うおっ! たんこぶが三つも出来てる……」
おのれ夏子さんめ……いくら俺が寝過ごしたとは言え、この仕打ちはちょいとばかりひど過ぎやしないか?
ぶつぶつと一人呟きながら静かな脱衣所で制服を脱いでいく。
誰か覗いて見ている奴でも居れば、艶かしく、イヤラシく服を脱いでやらない事もないが、生憎誰も見ちゃいない。
普通に脱いでやるよ、こんちくしょう。
春日寮の風呂場は寮生の皆が共同で使う事になっている。
風呂場は春日寮一階の一番端、そう、俺の部屋の廊下を挟んだ向かいが風呂場への入り口となっているのだ。
入り口を暖簾のように潜り抜ければ、壁に寮生の名簿が貼付けられている。
寮生達は自分達が入る時にその名簿に丸をうつ仕組みになっているのだ。
それを確認してから最後に夏子さんがお風呂に入り、掃除をこなしている。
中々、寮長という仕事も楽じゃないなと思う今日この頃だ。
まぁ、そんなわけで俺が風呂にも入らず、部屋で爆睡していた事が発覚してしまったわけだ。
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