Mission NO,0

19/46
前へ
/116ページ
次へ
「中々、夜中に入る風呂もいいもんだな。うん」 俺は一人頷きながら、風呂場を後にする。 さっき脱衣所でドライヤーをかけている時に目についた時計を見た時、その時計の針は11時40分を指していた。 予定の最速タイムを10分オーバーか……。うむ、想定の範囲内だな。 我が寮の魔王の機嫌が何如なものなっているかは非常に恐ろしく、ガクブルだが、俺が『風呂を出ましたよー』と報告しなければ夏子さんはひたすら待ちぼうけになってしまう。 そんな事しようものなら明日の朝には処刑されかねないので、今から夏子さんの部屋である、管理人部屋に向かうわけなのだ。 俺の部屋をスルーして廊下を一人歩いていく。 まだちらほらと明かりが部屋から洩れているため、まだ寮生達全員が寝静まっているってわけじゃなさそうだ。 ぺたぺたと俺のスリッパが奏でる情けない音が廊下には響くだけで、テレビの音も聞こえてはこない。 爆音で音楽を流すような馬鹿も寮内にはおらず、いたって平和な夜だな。
/116ページ

最初のコメントを投稿しよう!

373人が本棚に入れています
本棚に追加