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「とりあえず今日はもう帰ろうぜ。また明日学校終わったらな」
「おう、ぢゃあな陽平。いい夢見ろよ!」
「ばかか!」
こんなふざけた会話ができる相手も翼ぐらいだ。
俺が通っている桂工業高校には親しい友人なんて誰1人としていやしない。
なぜか市外の工業高校に推薦が通ってしまいそのまま入学してしまったというわけだ。
ダサい学ランにダサい鞄を身につけ、駅から自宅の県営団地に向かって自転車をこいでいる途中だった。
携帯の着うたが流れ出す。
『おかん』と液晶には表示されていて、飲み会で晩遅くなるから1人で何か食べておけという内容だった。
俺の家は母子家庭で兄貴がいる。
すでに兄貴は一人暮らしをしていて某TV局に勤めている。
おかんはいわゆる介護福祉士というやつだ。
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