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驚いて、透馬の部屋を振り向いて確認したが、全部同じドアで、どのドアから自分が出てきたのか分からなかった。
分からないけどやっぱり、エレベーターとの距離感は不自然だった。
私は瞬間移動が出来るようになったの?テレポート?リープ?ヒュージョン?あれ?ヒュージョンてなんだっけ?
私はエレベーターの扉から一歩離れた。
危なく鼻血出すところだった。
想像すると思いの外、ゾッとした。
吐き気がする程。
「…?」
口に手を当て、吐き気を不思議に思っているとエレベーターの扉が開いて慌てて入り口から退いた。
黒いスーツの男の人が一人、降りて行った。
とりあえず吐き気を忘れて、入れ代わりに私はエレベーターの箱に足を踏み出す。
とにかく警察に行って家に帰してもらおう。
何も考えず、まずはそうしようと決めた。
考えても答えが出ない状況だということは分かった。
このマンションが透馬の家だとすると、此処は東京。
私が住んでいる所まで新幹線で2時間かな?あれ、それは仙台までだっけ?
東京なんて、中学の修学旅行以来!
あっディズニーランド行きたい!上野動物園とか東京タワーも。NHKとか、電力館…。
楽しかったな…。何も知らないで、無邪気で…。
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