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「えっと………それはどういう意味です?」
たまらず姫宮さんが尋ねる。
そりゃそうだ。俺だってさっぱり意味がわからない。
すると、老紳士―矢野さんが話し始めた。
「いきなりすいませんでした。順を追って説明しますと、私はとある病院の院長をさせてもらっていまして、数ヶ月前に古い病院から今の新しい病院へ移動したのです。しかし、無人のはずの古い病院でここ数週間、幽霊を見たという連絡が相次いできましてね…。こうしてお願いにきた訳ですよ。」
「幽霊というのは、どういったものですか?」
「人影が見えたとか、火の玉が見えたとか、ラップ音が聞こえたとか様々ですよ。」
矢野さんは苦笑しながらそう言った。
姫宮さんは腕を組みながら、何か考えている様子だった。
「警察には言わなかったんですか?」
俺は矢野さんに尋ねた。
「言ったんですけどね……。気のせいだろうと言われて相手にされませんでしたよ。」
そんなもんなのか……?まぁ、だからここに来たんだろうけど……。
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