第1話 怪しいと分かっていても見たくなるのが人の性(サガ)

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「えっと………それはどういう意味です?」 たまらず姫宮さんが尋ねる。 そりゃそうだ。俺だってさっぱり意味がわからない。 すると、老紳士―矢野さんが話し始めた。 「いきなりすいませんでした。順を追って説明しますと、私はとある病院の院長をさせてもらっていまして、数ヶ月前に古い病院から今の新しい病院へ移動したのです。しかし、無人のはずの古い病院でここ数週間、幽霊を見たという連絡が相次いできましてね…。こうしてお願いにきた訳ですよ。」 「幽霊というのは、どういったものですか?」 「人影が見えたとか、火の玉が見えたとか、ラップ音が聞こえたとか様々ですよ。」 矢野さんは苦笑しながらそう言った。 姫宮さんは腕を組みながら、何か考えている様子だった。 「警察には言わなかったんですか?」 俺は矢野さんに尋ねた。 「言ったんですけどね……。気のせいだろうと言われて相手にされませんでしたよ。」 そんなもんなのか……?まぁ、だからここに来たんだろうけど……。
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