第1話 怪しいと分かっていても見たくなるのが人の性(サガ)

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すると、こちらに気付いたオッサンはパイプ椅子から脱出し、怒りの表情をこちらに向けてきた。 「あ゛ん!?なんだテメェら!?」 いやオッサン…それはこっちのセリフなんだか………。 つーかこのオッサン、どっかで見たような………。 「もしかしてあんた………凶野(きょうの)か?」 その姫宮さんの言葉で俺はオッサンの正体を思いだした。 凶野………名前なんだっけ?まあいいや。こいつは今巷で話題の連続殺人犯だ。たしか殺した人数は5人以上だとかテレビで言ってたな………。 つーかなんでそんな凶悪犯がこんな所にいて、パイプ椅子に埋もれてるんだよ!? そう思っているうちに、姫宮さんの言葉を聞たオッサンはいきなり喋りだした。 「ハッハッハァ!その通り!俺が巷で有名な凶野様だぁ!!」 そしてオッサン―凶野は高らかに笑いだした。 …………とりあえず今の発言を思いっ切りスルーしつつ、俺は敢えて一つの質問をした。 「で、なんでパイプ椅子に埋もれてんだよオッサン。」 ヒュ~~………。 絶対に今、気まずい空気流れたよな?
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