第1話 怪しいと分かっていても見たくなるのが人の性(サガ)

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俺は凶野の言葉を無視して、つかつかと前に出る。 「おい!!これは脅しじゃねぇんだぞ!!」 「じゃあやってみろよ。」 俺は凶野に言い放つ。 「ガキがぁ!」 叫びながら凶野が拳銃の引き金を引いた。 バン! ガキン! 俺は咄嗟に、何故か……何でかは知らないが置いてあった食事用のトレイで弾丸を防いだ。 「んなっ!?」 驚いて呆然とする凶野。俺はその隙に一気に凶野との距離を詰める。 「教えといてやるよ、オッサン!俺が銃突き付けられた回数はなぁ!」 俺はトレイを振り上げ、凶野の脳天めがけて……… 「34回だバカヤロー!!」 思いっ切り叩き付けた。 グシャッ! 「ふ~、やれやれ。」 俺の改心の………いや会心の一撃を食らい、凶野は完全にのびていた。 「お前、どんな人生送ってるんだよ………。」 凶野を荒縄で縛りながら、姫宮さんは言った。 「今までに99回死にかける人生ですよ。」 俺は苦笑しながらそう言った。 ………つーかどっから出したんだよ、その縄……。
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