第1話 怪しいと分かっていても見たくなるのが人の性(サガ)

16/21
前へ
/36ページ
次へ
俺のそんな言葉を聞いて、姫宮さんは笑いながら立ち上がった。 「どこ行くんですか?」 「とりあえず警察に電話してくるわ。」 そう言って、姫宮さんは電話をかけに行った。 これで幽霊騒動は終わりだ…………この時、俺はそう思った。 しかし、それは間違いだった。 グシャッ!ゴトッ…………。 生々しい、嫌な音がした。そしてすぐに、辺りに鉄分………血の臭いが漂った。 俺が慌てて後ろを向くと、そこには………… 首の無い……凶野の身体があった。 そしてその後ろには……右手に血を滴らせた、骸骨のようなものがいた。 「ケタケタケタ……」 骸骨が、いきなり笑い声のようなものを発した。 その声を聞いた瞬間……… 猛烈な恐怖が俺を襲った。 俺は、直感でわかった。 殺される、と。
/36ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加