封印

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 闇の住人たちが仄暗い静寂の中で活動を始める。    耳を澄ますと聞こえる鳥や虫の音に混じり、羽が振動している不愉快な雑音。  その音は太陽が姿を消し、月と交代した瞬間に聴こえ始めた。  まるで辺りを詮索するように、ブーンブーンと、周りを飛んでいる。  村人たちが寝静まるのを待っているのだろう。    少年は耳障りな音で夢から醒めた。今まで幾度となく見てきたあの夢。  悪夢ではない。悲鳴を挙げることもない。  それよりも現状の分析を優先する少年は、音の正体を探ることに集中した。   「封印し損ねた悪魔の残骸か?」    少年は隣に置いてあった刀を手にとり、鞘を取った。  現れた刃は外の景色に勝るほどの黒色で長身。  すらっと長くそびえる刀を構え、少年は部屋から暗黒の世界に飛び出して行った。
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