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「まあ、何も動じない奴よりかは可愛気があるけどね」
「で?」
「……本当に冗談が通じないねえ、君は」
たまには息抜きも必要ってことだよ、と独りごちり、ジークの肩を軽く叩いた。
自分で怒らせといて気を紛らわせようと必死になるくらいなら、始めから構わなければいいのにと思うジーク。
神父は、君は真面目すぎるのさ、と言葉を続けながらジークを背持たれ椅子に座らせた。
本棚から一冊の本を持ってくると、半分ほどまで一気に頁を捲り始めた。恐らく、目当ての頁がどこにあるのか記憶しているのだろう。
「君の旅路を祈りたいんだ。そのための助言だと思ってくれ」
神父は真剣な眼差しで、ある頁をジークに見せる。
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