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そこには、〝精霊の書〟と大きな見出しで書かれていた。
本自体は大変くたびれ、セロテープなどで補強してある。
僅かながら魔力も感じた。魔法で原型を留めていることが推測できる一冊のその本は、一世期、二世紀――それ以前の物なのかもしれない。
「私が思うに、その闇死の魔力だけでは、全ての悪魔を封印することはできない」
断言する神父に、どういうことだと訴えるような視線を浴びせた。
「備えあれば憂いなし」
ジークの視線を感じ取り、補足する神父。
「君は今、刀自体の物理属性と、闇死に吸収させた自分の闇属性の魔力を持っているね? この先……そう、悪魔の幹部共はあらゆる耐性と、強大な魔力を持っているだろう。だから、君もあらゆる属性の所持と、悪魔に匹敵する魔力を獲得しといた方がいい」
「どうやって」
「最初に言ったはずだよ、〝話し合おう〟と。そう急かさない」
神父はあくまで落ち着き払い、ごほんと咳払いをした。
書斎の奥にあった折り畳みの椅子を持って来ると、それを広げてジークの真正面に座り、会話を続行する。
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