嘘は嫌

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「……あやな……ちゃん?」 あたしは斜め後ろにある綾菜ちゃんの方へと顔を向けようとした。  しかしすぐにあたしは顔を自分の胸元にもどされるはめになった。 ボタンを外していた綾菜ちゃんの手が次はあたしの首筋をのびてきたから。 指先で首筋を上から下へとなぞる。 ゾクッとして体が震える。 その指先は……冷たかった。 いつもは暖かい綾菜ちゃんの手は冷えきっていた。 首下まできた指先は、次にあたしの鎖骨を左右になぞった。 綾菜ちゃんの指先が移動するたび、あたしはくすぐったくて、恥ずかしくて、ちょっと怖くて、体の芯から脳天へと電気がつきぬけるような思いだった。
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