優しい君へ

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静かな空間。 何かを思い耽っていた。 苦痛のない、優しい世界。 そんなものありはしないと、 否定し続けた。 音楽は私を癒した。 だけど、 共感したら泣くだけ。 泣いても、 世界は変わらない。 殺風景の中、 ひとり閉じこもる。 また、自虐的行動。 私が感情を作れば、 酷く傷つく気がして… 無関心、無表情を選んだ。 今では無関心だけは 出来なくなってしまった。 感情なんて…と、 必要なのか迷う。 今は、またいらないと 捨ててしまいそう。 でも、優しい記憶が 薄れていくことはない。 一秒でも楽しかった時間は、 忘れられない。 それ以上に、 つらい記憶しかなくても…。 君が言ってたのは、 こういうことなのかな…? 今は、 きっと幸せなんだろうね。 揺るがない決意は変わらない。 未来がない…。 そう思うのは、 まだ早いのかもしれないね。 絶望の暗闇に、 いつかきっと光が射すのかな。 この絶望に。 未来が…。 頻繁に襲う頭痛も 不安定な心も 音が消し去る。
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