第四章 失恋

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携帯の通信内容は、異性とのやりとりで、彼は相手の女性に対して、地球独特の求愛行為、つまり愛の告白をしていたようだ。 彼女からの返事は、歓迎すべきものではなかった。 彼は伏せ目がちにしばらく、うつむいたままだった。 少ししてから残りのコーヒーを飲みほし、また肩を落とした。 そして、小さく力の無いため息を付いた。 まるで、この世の終わりかと思わせる様な形相をしている。 これが地球人の失恋というものか。 モバイは、はじめて目にする地球人男性の落胆した姿を見て思った。
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