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だが、ここから
再び花坂の勝負は始まる。
九籠国際は残り15秒を
ゆっくりとボールを回して
終われるだけに
花坂は仕掛け続けなければならない。
『前からだ!!!』
酒伊の怒声が響き渡って、
一気に花坂のディフェンスに
気合いが込められる。
逆に九籠国際の須田も
負けじと声を鳴らす。
『ボールを回せ!!!
とにかくハーフラインを越えろ!』
どちらも必死なのに
変わりはない。
ただ、残るのは
ひとつという現実が
この2チームを争わせる。
だが、まず想いが叶ったのは
九籠国際の方だった。
━━━━━━
ダム、ダム
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須田を中心に
ボールが回った後
ハーフラインを越え、
時間は瞬く間に
終了に近づく。
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0:10
━━━━━━━
──残り10秒
その数字は九籠国際にとっては
勝利へのカウントダウン
「今までよくやった。
お前たちは確かに
猛者であった。
安心して終われ。」
須田の言葉が
花坂に突き刺さる。
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