651人が本棚に入れています
本棚に追加
/1001ページ
その一瞬のスキ
歓喜の酒伊の横を抜ける
一直線に飛ぶボール
酒伊の歓喜の顔に
冷や汗が出た。
「しまった───
まだ試合は終わってない!!」
そう。
誰もがこの瞬間
気を抜いてしまった。
最後の最後
残り一秒で時計は
止まっていたのだ。
だがボールの向かう先には須田
彼ならば、
そのクイックリリースを駆使する。
一秒もあれば
十分に決めてくる。
この時ばかりは
酒伊は自分自身を
責め立てた。
(くそっ───
なんて馬鹿なんだ俺は───
試合は最後までわかんないって
いっていたのは俺じゃねぇか・・
因果応報とはこのことか───)
一方の須田は
勝利を目にしていた。
(うむ。確かにお前は
キャプテンとしての器だった。
だが、勝利には壁が高すぎたな。)
最初のコメントを投稿しよう!