因縁

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その一瞬のスキ 歓喜の酒伊の横を抜ける 一直線に飛ぶボール 酒伊の歓喜の顔に 冷や汗が出た。 「しまった─── まだ試合は終わってない!!」 そう。 誰もがこの瞬間 気を抜いてしまった。 最後の最後 残り一秒で時計は 止まっていたのだ。 だがボールの向かう先には須田 彼ならば、 そのクイックリリースを駆使する。 一秒もあれば 十分に決めてくる。 この時ばかりは 酒伊は自分自身を 責め立てた。 (くそっ─── なんて馬鹿なんだ俺は─── 試合は最後までわかんないって いっていたのは俺じゃねぇか・・ 因果応報とはこのことか───) 一方の須田は 勝利を目にしていた。 (うむ。確かにお前は キャプテンとしての器だった。 だが、勝利には壁が高すぎたな。)
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