因縁

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須田がボールに手を差し出すと ほぼ同時に目の前を 影が通り過ぎていく。 ━━━━━━ バシッ ━━━━━━ 最後にボールを掴んだのは 須田ではなかった。 「───なんだと?」 と須田が言い終わらないうちに 甲高いブザーが鳴る。 ボールをキャッチした主は 伊吹であった─── そしてそのまま 両者整列をし、 呆気なく幕は閉じた。 だが、その結果は 花坂の大逆転劇という 華々しいものとなった。 須田も苦笑いするしかない。 「フッ、最後の最後に 俺自身もボールを“待って”しまった。 最後まで試合はわからんのにな。」 伊吹もまんざらじゃない様子 「何言ってんだよ。 アンタも十分脅威だった。 ただ、最後の一秒を意識し続けたのは 俺だったってことだ。」 酒伊は今回も伊吹に 助けられたという様子 勝負は今回、 花坂が勝ち取ったまで。 最後まで勝負は わからなかった。 確かにみなの記憶に残る 壮大な試合となった。
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