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この試合がまず一区切りとなる。
と、いうのも
二回戦ごとに
選手たちはホテルへ戻る。
これをものにしたチームでないと
そのまま地元に帰ることになる。
互いに一回試合を終えた後で
疲労が残っている中での
試合ということ
集中力を極限まで
保てたチームが
勝利するのだ。
東南はもちろん
桜花青春もその集中力は
負けてはいない。
特に真代との
因縁が残る周防は
モチベーションは
最高点にある。
藤堂、タイソンも同じだ。
もっとも東南を知らない
蛯名と新見には
まったく関心のないことだが・・
「ふぅ~、なぁ周防。おい・・・
お~い周防さんよ~?」
蛯名が周防に声をかけるが
周防は集中力を保って、
頑なに口を閉ざす。
「ふぇ~?そんなにまでする相手かね?」
と蛯名は続ける。
「んま、油断禁物ってことで。」
新見も蛯名に賛同するが、
これに無口な藤堂が
口を開く。
───あいては強いから──
「はい?なんて?」
藤堂があまりに
ボソッと呟いたので
聞き取れなかった蛯名と新見
だが、藤堂は
それ以降口を開かない。
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