4人が本棚に入れています
本棚に追加
G県 赤月市 歩行者用トンネル
2015年12月25日
19時41分
「お疲れ様です」
制服警官が俺達に敬礼した。
俺はそれを無視して「KEEP OUT」と書かれた黄色のテープの下を潜り奥へと向かった。
「ちょっと………待ってくださいよ!!」
俺は足を停め後ろ振り返ると若い青二才が走ってきた。
「何やってんだよ?…青木」
この青二才の名前は、青木省吾。今年赴任したばかりだが……あまり役に立たない。
「佐久間さん……あの警官に挨拶しずにすたこら行ってしまうんですか?」
「うるせぇなぁ~!…別に良いだろ!」
俺は頭を掻きながら事件現場に向かった。
暫く歩くとシートの中を覗き込む老人とその周りを鑑識が指紋を採取したり現場状況をカメラに収めたりしている。
「よう!ジジイ」
「お前は弁えと言うのが無いのか!?」
呆れ顔をした老人の名前は高木定悛。既に定年なのだが『優秀指導員』って奴で未だに、赤月東曙に居る。正直な所、早く隠居して欲しいと思ってる。
「たくっ……それより、若いの?」
「えっ!……あ、はい!」
「トイレに行くのは今のうちだ」
最初のコメントを投稿しよう!