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「そんなに凄いのか~?」
俺はホトケを隠してあるシートに、歩み寄りしゃがみ込んだ。
シート越しだが、血の臭いが鼻に突く。そんな臭いの中で、俺の右手はシートをしっかりと握っていた。
「青木~?トイレ行かなくて良いのか?これ見てちびっちまったら赤月東曙の笑い者だぞ?」
「なっ…ちょっと………佐久間さん…茶化さないで下さい!そりゃあ……死体を見るのは嫌ですけど……」
確かに、俺だってこの死体を見たいなんて思っちゃいない。いや、この死体だけじゃない……出来れば、今まで見て来たホトケを記憶から消したいぐらいだ。
今回、俺達が呼ばれたのは殺人事件の通報があったからだ。日本の警察は優秀だからクリスマスでも動いているのだ。キリストの誕生日に殺人とは………一体どういう神経の持ち主なんだ?そもそもホシには、運動神経以外の神経系は存在しているのだろうか?
だが言えるは、今起きた殺人にホシにとって意味の在る行動である事だ。ホシはホトケを殺す事によって、幸せを掴んだのだと思う。
俺はシートを一気に取った。そこには鮮血の海の中、男の首と身体が断絶されおり、その首の目は飛び出ていた。
「うわぁ………こりゃあ酷いなぁ」
「この事件…お前はどう見る?」
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