佐久間梁一:殺人事件

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「猟奇的殺人事件だなぁ」 世の中に此処まで狂った人間が居たとは………気が重い。 「こりゃあ凄いなぁ……これだけで津山三十三人殺しが小さく見える」 「うっ……んく……」 「現場で吐くんじゃないぞ」 ジジイがそう言うと青木は真っ先に外に走った。恐らく最寄の公園に向かったのだろう。まだ若いから、ああいうのになるのは無理もないだろう。まだ俺の若い頃の時代を少しばかり思い出す。 そう思うと新人というのはいつ見ても可愛い者だ。後は仕事に役立ってくれれば気が楽なのだが………。 「ホトケの身元は判っているのか?…………まぁ此処までなれば見つけるのも、難しいかもな」 「こいつは殺害当時には、身元が判明しそうな物を持っていなかったみたいだ。だから今の所、身元は不明と言った所だな!」 「持っていなかったぁ~?盗られてんじゃないのか?」 「まぁ~それも考えたんだが………。尻のポケットの中に在った、財布に免許やら保険証、ポイントカード等が入っいないんだ。ホシはこれらを持って行く理由が在ると思うか?」 「そんなの簡単じゃねぇか?身元が判ればガイ者周辺の人間が、容疑に掛けられて後はガイ者との人間関係を警察が調べれば、ホシが浮かび上がるじゃねぇのか?」 「お前は何年刑事やってるんだ?それだったらホトケを隠して行方不明の形にした方がよっぽど合理的だ!歯型を知ればホトケの身元が判明するだろ?」
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