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S先生の授業の前には教室に緊張が走った。
まず、黒板を超キレイにしておかなければならない。
最初の授業の時に
「こんな汚い黒板で私は授業をしません‼
これはあなた達が学ぶための黒板です‼
今後、黒板が少しでも汚かったら私は授業をしません‼‼‼」
と言われたからだ。
黒板消しを何度もクリーナーにかけ、チョークを置くステンレスも雑巾で拭きあげ、更に教壇も拭きあげる。
もちろん、黒板のコンディションを万全に整えても、油断は一切許されない。
先生が授業とは一切関係のない事を話だしたとき、私達は筆記用具を置き、手は膝の上という体制をとらなければならない。
このタイミングを誤るとまた雷が落ちるのだ。
この様に、授業が中断するハプニングは幾度となくあったが、全課程が計画表通りに終わったということは、恐らく計画的にキレていたのだろうというのが私達の見解だ。
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