くれくれ

2/2
648人が本棚に入れています
本棚に追加
/255ページ
ねこすけは 僕が家で 一人で食事をしていると 必ず隣の席に陣取り 食べている僕の顔と おかずの乗った皿を 交互に見つめてきます。 今日もテレビを見ながら 夜食にカップ麺と冷蔵庫の 残りものを食べてたら ねこすけが またいつもの席から またいつもの熱いまなざしで 見つめてきました。 「ねこすけさん、  いくらそんな顔しても  だめです。   あげません、    あげませんよ。絶対に     あげませんからね!」 と宣言しても 微動だにせず その場で僕の食事を 見守り続けるねこすけ…。 そして僕が 皿の上のチーちく (ちくわの穴に  細いチーズを通したもの) を箸でつまんだ途端… ねこすけは まばたきもせず よりいっそう 熱いまなざしになり というかもう なかば涙目に近い感じで 見つめてきて、 ついには テーブルに両手を掛け 「…うなぁ~ぉ~ん…」  (…それくれよ~…) と話しかけてきました。 僕は聞こえないふりをして 食事を続けていましたが 彼もしつこく 「…うみゃん…ごろろ~ん…」 (…たのむよ…ごしゅじ~ん…) と懇願してきたので それには僕も根負けして チーちくの端っこを ひときれ あげてしまいました。 するとねこすけは テーブルの縁に置かれた チーちくの匂いを くんか くんか くんか くんか と散々嗅いだあと まんをじして食べ… …ることなく そのままチーちくを放置して いつもの定位置にもどり 僕の顔を再び 見つめ続けるのでした。     \(>△<)/   …って食わんのかいっ!! ねこってたまに こういうことしますよね… 食べたそうな顔してるから 分けてあげたら匂いだけ嗅いで 食べないっていう…。 (;^_^A            【完】
/255ページ

最初のコメントを投稿しよう!