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ボオォォォ…ボオォォォ…
小屋が燃えている。
小屋の周りでは沢山の人が集まり,消防車まで来ていた。
その小屋は一軒家ほどの大きさがあり,火を消すのにも手間取っている様子だ。
そのとき,中からかすかに子供の「…助けて…」という叫び声が聞こえた。
当時,消防活動にあたっていた一人 佐藤 冬樹(サトウ フユキ)はその声を聞き取ると同時に,小屋に飛び込んでいった。
発火してから時間が経っているのに出て来ないということは,退路が塞がれているということだ。
早く助けださないと,命が危ない。
冬樹は,声をたどっていき一番奥の部屋にたどり着いた。
扉は固く閉ざされており,中に一声かけてから冬樹は思いきり扉を蹴破った。
中には一人の少年が居た。
「坊や,大丈夫かい??」
「……ぅん゛」
「さぁ,おじさんと外に出よう」
冬樹は少年を抱きかかえて,外まで一気に駆け抜けた。
外の光が見えたあたりで,冬樹の近くの柱が崩れて,倒れてきた。
「っ?!」
バアァァン!!ガシャァン!!
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