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煌牙は嫌そうに瑞希に撫でられている
ちょっと笑える
「かわいい!」
「瑞希んち犬いなかったっけ?」
「あぁ…うちのはお母さんの趣味でブルだからさ」
煌牙一応狼なんだけどな…
「ブルかわいいじゃん?」
「そうかなぁ」
瑞希は首を傾げながら煌牙を抱き上げた
桜妃の基になってる木の姉妹木を不可抗力ながらも傷つけてしまった彼は
桜妃が許すまでその姿でいなければならないらしい
土の気を持つ彼は五行の相克
〈木は土を克する〉のせいなのか
昔なにかあったからなのかわからないけど
木を傷つけたこと以前に煌牙は桜妃には逆らえないような感じがある
一番場所をとらないように小さくなっているのは彼なりの配慮なのだろうが…
まぁ狼だとは思わないよね…瑞希に撫でられている彼は子犬にしかみえない
雑談をしていると窓がガタガタなった
「今日ホントに風が強いね」
空模様をみようかなと障子をあけた
…ガタガタと叩かれる窓
…一瞬の沈黙
パタンと障子をしめなおした
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