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「なに言ってるんですか!」 差し出されたのは彼女の子ども 彼女は瑞鳥で四神の『朱雀』 彼女の子供の内10羽は力ある神に預けたが この末っ子である卵だけは かえすのが難しいためことわられたらしい 神様も断ったのに そんなのあたしにできるわけないよ(泣) 「ほかに頼むように力のある方も日本には…思い当たらず」 風の神という少年がつらそうな彼女のかわりに早口で説明した 彼も追われながら神に雛を預ける朱雀を運んだためか少し疲れている 「どうかおねがいです」 つらそうな声 冬の焚き火のようなオレンジ色の髪は血で汚れ 懇願する朱色の瞳には力がなく 肌の色は異様に白い
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