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親友 -瑞希-
彩音の変わりに入ってきたのは十二単のきれいなお姉さんで
「桜妃にございますお見知りおきを」
と古風に深く頭をさげた
彩音はどうしたのか聞こうとしたらいきなり戸があいて
「瑞希様はここにいてください!」
と桜妃さんは出て行った
彩音の家はお金持ちなのかな…なんて考えた
変わりに来てくれたのは藍色っぽい髪の女の人で
「沙羅だ」
短く言うと沈黙した…
「あの…沙羅さんはどういう方なんですか?」
「彩音に仕えている」
「彩音は何を…」
「それは本人に聞いた方がいい」
その通りだった
「?」が浮かびすぎて膝を抱えて顔をふせた
帰ろうかとか彩音を探しに行こうかとか考えたけど沙羅さんは許してくれそうにない
帰って来た彩音は困ったように足下を見ながら入ってきて
それから聞いた説明は信じらんないような話だったけど
「信じらんないよね」
信じるよ 目の前にいる人たちが証明してる
「黙っててごめん」
不安げな彩音がなんかおかしくてあたしは笑った
「気味悪くない?」
そんなことか…怖くないと言えば嘘になるが
彼女は私の知っている彩音で
あたしらの関係は変わらないと思う
「大丈夫だよ」
答えれば彼女はやっと安心したように笑った
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