てあてとご飯と

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「聞いたことないかな、…」 「ある」 あたしはとっても特殊な環境に生まれた 内平家は術のおかげで平安時代栄えた陰陽師の家系だけど 時代が進むと術は重荷になって家は二つに分かれたわけ 政(マツリゴト)に参加する表の家系と表に出せない術を受け継ぐ裏の家系 時代が進んでも心の闇と闇の世界は消えない 表の家が勢力争いで絶えても 内平家は絶えず、陰陽の術は受け継がれてきた でも、…あの日 あたしをのこして一族は全滅 「…あたしを守って…みんな死んじゃったみたい」 兎は複雑な顔している まあ話重いしね 「でもここは先祖代々の結界がはってあって、…手負いの神獣さまをかくまうにはちょうどいーかなと思うよ?」 「…だからここは清浄な気でみちているのか」 「どうかな、…?」 「確かにここは安全かもしれない…」 飼いたいっていうのもあるんだけどね、… ていうかそっちのが大きい(笑) まぁ言わないけど
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