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内平邸内 -朔-
「ひまだ、…」
家の中をひょこひょこ歩く、…にしても広い、…まぁ月の君の宮には到底およぶはずもないが
痛めた足をかばって歩くのは変な筋を使う
若干疲れた
歴史がながいからか
だが不浄なものはない
ひょこひょこ
奥の部屋から気配を感じた
襖をあける
あ?器用だって?このくらい普通だ
コトンっ
音がしたのは古びた木箱の上
これまた歴史のありそうな笛だ
しばらくみていたが悪い物ではない
気にする必要もないだろう
部屋を後にした
またひょこひょこと歩く
庭の見える廊下にでた
手入れが行き届いているうえに清浄な気に満ちた庭だ
奥の方には森があり滝でもあるのだろうかすかに水音がする
あいつはここを一人で世話をしているのか、…?
気持ち良い日の光が差し込む
廊下にうずくまり光に目を細めた
日の光はあたたかいなぁ
ひさかたの緩やかな眠りに落ちる
起きるまであと5時間
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