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女の人はキレイな袖を目に当てる
「どうしたの」
なんでなくの?
「うれしゅうございます.ずっと見守っておりました」
え! もしか… して
「私は内平家創始の頃より式としてお仕えしております、桜妃(おうひ)にございます。」
ボロボロ泣く女もとい桜妃
「そう…今日ね夢を見たの」
悲しいくらい温かかった昔の光が消える
「あの日あたしを守ってくれたのもあなたね」
「当主の命で戻った時にはもうお兄様たちも…」
「そっか…ありがとうね
桜妃さんはずっと守ってくれたんだよね」
なきそうになりながら言えば
今度は声をあげて泣き出した
「わたくしはずっと…もう二度と…名を呼ばれることは…ないと…思っておりました」
つまりながら…きれいな顔をグチャグチャにしながら
「まぁ…あたし見るのも術も使えなかったからね…」
「うれしゅうございます…どうか…私を式に下してくださいませ」
涙ながらにてをつき頭を下げる桜妃
「あ…止めてよ💦それに式に下す術分かんない」
顔を上げさせる彩音を桜妃は悲しげな目でみあげる
「でももう見えるから一人にさせないですむね」
また澄んだ目から涙があふれる
桜妃はしばらく泣き続けた
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