月夜のおみゆき

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…とりあえず… 急いで縁側からおりて桜妃の横に膝を付く 「かたくならなくともよい顔あげて」 清浄な気 これが神の気 顔上げると青い目が見下ろしていた もう一人の男の黒髪を撫でている手はしろく 整った顔に優しげな微笑みを浮かべ まばゆいほどに美しい銀の髪 う…美しい 「瑠藍(るあ)の怪我を手当てしてくれたんだね」 瑠藍?え?朔のこと? 「は…はい」 「礼を言うよ」 にっこり 美しいすぎるぅ あの…鼻血でそう、… あ…でも結局ケガ治したの月の君では? 「瑠藍…本来の姿でよいというに」 「それはできません」 「まぁよい日写しの鏡が少し曇ったように思う」 朔は目をみひらく ちょっとまって…瑠藍?と朔は同一?てことはこの男の人って… 「今地上にいるのは危険だろう」 「やはり神殺しの?」 何のことやらサッパリなのですが、…しかもいきなり…兎が人で…あれ…あたし頭変? 「月の君…私は地に残ります」 「…危険は承知の上か」 「はい…私を襲ったのもその手の者でしょう」 「内平の姫」 ひ…姫ってあたし? 「はっはい!」 複雑すぎる…有り得ない 「座ってはなそう」
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