月夜のおみゆき

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「俺は地上で汚れを抑える」 朔の決意はかたそう 「そこで、…日本屈指の内平の力を見込んで瑠藍に力を貸して欲しい」 えーぇぇぇぇぇ? あたし? 「で、…でも…私は術も使えないし」 「だめか」 月の君…そんな…目 そんなうるうるした目 「む…むりですよ」 あ…そんな顔 形のいい眉がハの字になって美しい顔が憂いにそまる ダメだって… だ… 「だめか?」 「わ…分かりました」 月の君はにっこり笑った 反則だよ… 絶対反則さっきの上目づかいはなに? 「そうと決まれば!」 ずいっと月の君が近づいた 顔ちかっ 神々はみんなこんななの? 首をかしげる 「おかしいな、…封がとれかけている」 「何の、… 「彩音様」 桜妃が盆を運んできた 「桜妃?」 「月の君にお神酒をと」 「これは懐かしい」 盆には酒瓶と杯が二つ 「我が当主たちはよく神々ともお酒を酌み交わしておりました」 え゛… 改めて内平のすごさを知る、… 神と酒飲むなんて 「もう一つ謝らなければ」 桜妃に酒を注がれながら月の君があたしを見つめる 「お前の力を封じたのは私だ」
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