月夜のおみゆき

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細い肩と重圧 ー月の君ー 「みずほのくにを頼む」 杯をおくと立ち上がり縁側からおりた 続く瑠藍の頭をなでて 姫の方を振り返った この国屈指の家系に最高の力をもって生まれたこの姫 あの境遇にもかかわらず真っ直ぐ素直に育った 強大な力をうまく制御できるであろうか だがすでにみずほのくにはこの細い双肩にかかっている 「月の船は大丈夫だ…見守っているぞ内平の姫」 「私にできることなら」 しっかりと答えた姫は急いで縁側からおりた が、酒が回ったか体勢を崩した 可愛らしい娘よ 願わくばこの国に住まう数多の神々がこの小さき少女を護ってくれるよう
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