修行 レベル1

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囲炉裏がこんなにありがたいと思ったのは初めてだよ 小屋には囲炉裏があり桜妃はせっせとまきをくべていた ぬれた服を着替えると見計らったようにウサギが小屋に入ってきた 「3時間か初めてにしては上出来だ」 なんかえらそう 「その人のおかげかも」 指差した先には流れるような長い髪の女の人がいた 「あら」 「桜妃、久しぶりだな」 一緒に滝に打たれていたはずなのに 服が塗れていない 「式?」 「なわけあるか!」 朔がとてとてあるいて近くに座った 「式神だろう」 「沙羅(さら)だ、桜妃と同じくらいのときからあの滝壺に住まわせてもらっている」 藍色に近い黒髪がゆれる 「沙羅さんですね私は彩音です」 「沙羅でいい、それに名は知っている」 それもそうだな笑ってしまう 「よろしくね沙羅」 沙羅は一瞬キョトンとして 苦笑して そして 頷いた 「よろしく」 「うーさむ」 隣に寝そべった神獣 にやり 「なにをする」 「あーやっぱり」 ちょうどいいあたたかさ 「やぁめぇろぉ」 「あばれないでよ」
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