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おもかげ ー沙羅ー
黒い目が細められる
「じゃあ、よろしくね沙羅」
驚いた
いつか誰かに言われたようなきがして
「沙羅さん」と名を呼び
意志を問い仲間のようにあつかう
術者…主にあるまじき式への接し方
これが我が主、最後の姫
面白いとおもった
懐かしいと感じた
笑っている娘
私は少し変な顔になっているかもしれない
苦笑して
頷いた
「よろしく」
主は隣に寝そべった神獣の艶やかな毛並みをみてイタズラな笑みを浮かべた
そしてちょうどいい温かさなのか
恐れ多くも嫌がる神獣をだきあげた
じゃれる神獣と主を見ながら桜妃は花の微笑み
新たな主のもと
我らは有るべき姿を取り戻すことができる日も近いだろう
「にているなあれに」
「ええでも」
「あぁ、にているが違う、これから楽しくなる」
「ええ、きっと」
ふと仕えるものどおし交わした言葉は主には聞こえていない
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