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りゅうじぃ -三太-
-三太がつれてきたのか-
「あぁ…蜥蜴の子が気をきかせたのさ」
-余計な世話を焼くアヤカシたちよ-
そんなのは俺たちのかってだ
蜥蜴や蛇なんかは眷族なんだ弱ったりゅうじぃを元気づけたかったんだろ
だが俺の育ちが特殊なだけで神域に入れるのはそういないからな
-今日は感謝しておこう-
昔…猫であったとき
この神社の神主に拾われこの境内で育てられた俺は
この神気に耐えられる
初めて会ったときからりゅうじぃはりゅうじぃでその姿に似合わない優しい瞳をしていた
-久しぶりの客人だな-
娘や人間に会えて嬉しそうに話し込むりゅうじぃの神気が少し強くなった気がした
難しいことはわからねぇがこの100年ほどでここにくるものは減った
だれのおかげでこの町が守られ潤され豊穣を約束されているのか人間は忘れたんだ
俺が生きた時間よりはるかに長い間この地を守ってきたりゅうじぃの手に持つ玉が曇るのもそのせい
龍玉は彼の力の源だといつだったか本人にきいた
-滝の音はと詠んだ人間がいたが…我は逆じゃな-
力づよく水が落ちる水の中でりゅうじぃの目は自らを嘲笑していた
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