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月 -瑠藍-
「瑠藍どうかしたか?」
人型になり部屋にはいると不思議そうにでも優しい瞳で微笑む主がいた
「はい…」
俺は状況を説明した
「睦皇の手のものにおそわれた龍神の玉を強めて欲しいと?」
「はい」
「うむ…では酒など贈ろう」
側用人に言付けると彼をさがらせた
「瑠藍本来の姿でよい」
「…はい」
座っていた椅子を降り月の君は兎の俺を抱き上げた
「内平の姫はどうだ?」
「よくやっていますよ?まだ半人前ですが」
月の君のなでる手が暖かい
「そうか…」
どこか安心したような笑みがこぼれる
「瑠藍の目はいつみてもキレイだな」
慈しみの目はあの日の…
月の君が俺を拾ってくださった時の目と同じだった
本当に月光のような方だ
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