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桜妃が弾き飛ばされた
睦皇によるものだとわかった時には
アヤカシと目があっていた
強い妖気が身を硬くする
曇った目には何も写っていない
縛るとはこのこと?
「彩音!」
朔の声に我に帰った
印を結ぶ
アヤカシはあたしに狙いを定めた のまれたらまけだ
「お前はまた主に背くというの?」
桜妃が絞り出した声にアヤカシの瞳がゆれた
どういうこと?
「あれは昔内平に仕えていました」
「何をしている早くヤレ」
沙羅の矛を刀で防ぎながら睦皇が命じる
瞳がまた濁った
あの迷いはなんだったの…
あたしには苦しんでいるようにみえた
獣の砲口
思考から引き戻され気づけば
一瞬で間合いをつめられる
そのとき濁った瞳のむこうに光り輝く名が見えた
「煌牙(こうが)!」
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