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痛みはなかった
おそるおそる目をあければふるえる獣がいた
獣の鋭い爪は木の枝…いや桜妃の伸ばした手によってからめ取られていた
「怖がらなくていいよ」
震えは恐れのせいにみえたから
アヤカシの目が焦点があったかのようにしっかりあたしをとらえたと同時に
脱力する
桜妃の手がとおのいて桜妃がくずおれたのがみえた
「ごめん…なさい」
ないてる? 俯いた頭に手をおいた
「俺は…っ…許して…くれ…」
嗚咽とともにこぼれた雫
「俺は今度こそ守りきると誓う…命をくだして」
涙の瞳は固い決意にみちていた
でも命令は嫌いだから
「あいつを倒したいの助けて」
指さしたのは勿論睦皇
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