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「ちはっ‥!?」
慌てて彼の腕を掴んだせいで、パサッとブレザーが固いアスファルトの上に落ちた。
「明日も明後日も‥!!
それからずっと先も――‥!
一緒に学校行けるよね!?
バカみたいに遊ぶよね!?
いちごみるく買ってくれるよね?
また一緒に‥…二人乗りするよね‥……?」
切ない想い‥アナタに届いてますよね?
届いているのなら‥…
意地悪しないでください‥
悲しい顔をしないで
笑って見せて――‥…
千春は千春らしく‥
あたしの口に甘い何かが含まれた。
千春の指先‥
いちごみるくの匂いがあたしを落ち着かせた。
最後のアメ玉を彼がくれたのだ。
「‥茅紗、そろそろ眠ろうか?」
優しくあたしの体を包み込み、頭を優しく優しくと撫でてくれた。
うつら‥うつらと瞼が重くなっていく。
まるで温かな陽だまりの中にいるような気持ち…‥
伝えなきゃならないこと‥
「‥‥あたしも‥好きだよ‥」
最後にそう呟いて、深い深い眠りへと落ちて行った。
安らぎの地へ‥‥
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