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ひいなちゃんは「え‥?」と、眉を寄せた。
「お兄ちゃん‥まだ見つかってませんよ…?
茅紗お姉ちゃん、ちょっと寝ぼけてますか?」
苦笑しながら彼女は言う。
「寝ぼけてなんかないよ!
だって真夜中にあたしに会いに来てくれたし、自転車に乗って夜景見て、生徒手帳だって机の上に‥」
綺麗に整頓された勉強机の上に置いてある生徒手帳を指差した。
サンドイッチを皿に戻し、生徒手帳を取ってひいなちゃんに見せた。
青羽 千春
ちゃんとそう書いてある面を見せると、ひいなちゃんは苦笑しながら口を開いた。
「そんなはずありませんよ。
生徒手帳はわかりませんが、でも、お兄ちゃんは帰って来てませんし、見つかってもいません。
茅紗お姉ちゃん‥しっかりしてください。
それはきっと夢ですよ」
いつもなら「そうなんですか?」と素直に受け入れてくれるひいなちゃんが首を横に振って、否定した。
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