千春くんと千春

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おばあさんは目を細め、頷いた。 「いつか忘れたけど、二週間前に一人でここにやって来たことがあったよ。 その男の子は高い場所をずっと探してたねぇ‥ 夕焼けが綺麗に見える場所がどうとか‥安全な場所がどうとか言ってた気がするよ‥」 ‘茅紗、公園に行きたいって‥言ってただろ? だから安全な場所探し出したんだ’ 夢と同じである。 あり得ない――‥夢とのつじつまが合ってしまうなんて‥ おばあさんたちにお礼を言ってから自転車を漕ぎ始めた。 千春が本当にここまで来てたなんて‥信じられないよ。 丘に上る長い長い坂道を自転車を押して上がった。 そこで見た光景にアッと驚く。
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