千春くんと千春

25/27
前へ
/146ページ
次へ
そっとアゲハに手を伸ばした。 「ごめん――‥ごめんねっ‥‥ 早く見つけられなくてごめんねっ ごめんね――‥っ‘千春’ ずっと‥‘傍にいてくれた’んだね‥‥。 気付くのが遅くて‥ごめんねっ‥」 ‘アゲハを捕まえてはいけないよ。 人が――‥死んでしまうから‥’ 千春――‥ 私は解ってしまった。 アゲハを捕まえなきゃいけないんだよ。だけど捕まえることができなかったんだ。 その蝶は怯えて逃げてしまうから‥‥ 真実を受け入れたくなくて‥ 彼らは‘逃げてしまうから’―‥
/146ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2228人が本棚に入れています
本棚に追加