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自分の腰の高さに満たない子供たちのはしゃぐ声が、とても耳障りで吐き気がした。昔のことを思い出して、これ以上いると取り返しのつかないことをしてしまいそうで、なんとかそこから抜け出した。
永遠なんて薄っぺらい言葉を信じて、無邪気に笑っていたあの頃の自分が酷く憎らしい。
オレにとって嫌な思い出でしかなかった。
それでもひとつ安心できたのは、まだかつての恋人の姿を鮮明に思い出せたこと。
一面に広がる赤、赤、赤。
そのなかの恋人。
いつものどこまでも透き通るような蒼の瞳にも赤が廻って、もうオレのことも見えていないだろうな、なんて思いながら冷たくなっていく恋人に最期のキスを落とした。
ああ、やっぱり嫌な思い出だ、なんて思った瞬間、風に乗って彼の声が聴こえたのはきっと気のせい。
(思い出になんかしたくない、)
fin.
(080812)
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死ネタばっかですみません、、、
キルが死んじゃっても忘れられないゴンさん。
きっとゴンを庇ったのではないかと。
毎度短いし駄文だしでホントすみません、
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