幸せの味(甘い甘い密みたく、)

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「……だ…だいえっと…」 「…へ?」 ゴンの口からそんなカタカナが出てくるとは、思わず実に間抜けな声を発してしまった。 けれど、ゴンの頬がまっかに染まっていくところを見ると嘘じゃないことは確か。 「…なんで急にんなこと…」 本当に呆れてため息混じりに聞く。 「…だって…きるあが…」 「オレが?」 「重いって…」 涙目で恥ずかしさ堪えて一生懸命話すゴンに、ホントかわいいなー、なんて思いながら昨日自分が言ったことにたどり着いた。 ソファーで雑誌読んでるオレに、いつになくゴンが甘えてきたから、膝の上に乗せてやったとき 『あれ?お前重くなった?』 確かに言ったな。言ったけど。 「ゴンー、あれは別にそういう意味で言ったわけじゃねえだろ?」 「じゃあどうゆういみっ」 わあ、怒ってる怒ってる。 「確かに体重重くなったなって思ったから言ったんだけど、お前ちゃんと身長も伸びてるんだし、気にすることじゃねえんだぜ?」 ごめんな、って言いながら抱き締めてやると、ちゃんとおとなしく腕におさまって遠慮がちにオレの背に腕まわしてきたから、もうホント歯止めきかなくなりそう、なんて思ってたらやっとゴンのほうから話してくれた。 「きるあ、」 「んー?」 「でもさあ…なんでかなあ」 「なにが」 「だってきるあオレよりお菓子とかいっぱい食べてるくせに背も高いし体重も軽いもん」 「あー?んなもん体質体質。それに、」 「なあに?」 「オレはそのままのゴンがすきなの。どんなでも関係ないよ」 今は抱き合ってるから顔見れないけど、想像はつく。 さっき以上に強く抱き締め返してくれた腕が何よりの証拠。 「ゴン、ホントすき。」 なんかあったかくて今すげえ甘い気分。 ついでに睡魔も襲ってきて、それはゴンも同じらしい。 「きるあー、おれもーだあいすき。ありがとー」 半分寝ぼけたような声で言って、けたけた笑う。 かわいいなーもう、でもきっと今ホントはすっげえ腹減ってるだろうから、明日の朝食は作ってやるか、なんて考えながらオレは意識を手放した。 (おやすみ、明日もだいすき、ね) fin. (080821) ────── うわあああ、だらだら長いだけの文にorzorz ゴンちゃんはキルくんが言ったことはかなり気にします。だからこんな事件もあるでしょうと、(勝手な妄想) 駄文失礼しました、 読んでくださったかたありがとうございました。
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