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本当は、ずっと一緒に居る方がいいのかもしれないけど、大切な人よりも、ハンターって仕事を取ってしまう自分は、やっぱりジンの息子だ、なんて思った。
「じゃあな」
「うん、またね」
「ばーか、“また”はねえの」
「あ、そっか」
そう言って二人で笑った。
あ、なんか、久しぶり。
このままだと本当に離れられなくなりそうだと思ったから、元気でね、って言って背を向けた。
向かい風でもないのに、足が重くて進みづらかった。
後ろで小さく車椅子を反転させた音がして、やっと進めるって思ったのに、ひとつ忘れたことに気が付いたから、これで最後って自分に誓って振り返った。
後ろから抱き締めて、頬に一瞬触れるだけのキスをした。
「ありがとう」
最後のキスは、とてもしょっぱい味がした。
(キルアに逢えて、幸せだったよ)
fin.
(081019)
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