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泣き顔の君に精一杯の愛を、
「なあゴン、オレのこと、さ、すき?」
夕食すませてソファーに座りながら見たくもなかったけどついてたテレビに自然に目を向けていたときだった。
本当に突然だったから、きっと振り向いたオレは至極変な顔をしていただろう。
「どうしたの、急に。」
「…ううん、ただ、聞きたくなった…だけ。」
そう言ってキルアは、一瞬泣きそうな表情をしてから、
「やっぱ、今のなしにしてよ、ごめん。」
なんて、薄く笑いながら言う。
反則だ。その表情(カオ)は。
抱き締めたくなる。
オレはテレビを消して、こっちを向いて立ったままのキルアにおいで、ってして、自分の膝の上にのせてやる。
照れながらも、されるがままになる恋人を、また愛しくおもう。
「不安?」
自分よりも少しだけ高くなった目を見つめて問う。
蒼く透き通ってゆらゆら揺れるその瞳は、いつ見ても綺麗だと思った。
キルアは頬を薄桃色に染めて、こくっと頷く。
それと同時にぽろぽろと水となった感情が溢れ出した。
動作すべてが脳の奥をついて電気が走る。
(ダメだよ、キルア)
キルアの頭を引き寄せて唇を奪う。
(止められなくなる)
酸素を求めて薄く開いた隙間から侵入して、奥で小さくなっているものを舌で絡めとり、吸い付いたり転がしたりしてやる。
「…んっ………」
真っ赤に頬を染めながら可愛い恋人の唇から、水音と一緒に小さく声が漏れた。
そこから溢れて流れる、どちらのものともわからない唾液を舐めとる。
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