始まりは、軽口

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カッとなった頭はどうしようもない。 怒りというより、ただの勢いでオレはATMでなけなしのお金を下ろした。 何故だろう2万もある… そうか、こないだバイトしたんだった。 ここでお金がなけりゃオレの勢いは萎んでいたのに! これはもうクラスの奴らにギャフンと言わせるべく行くしかない! そう自分自身をふるいたたせて、オレは福島までの新幹線キップを購入していた。 鼻息が荒い高校生を誰かしら怪しい…と思って引き止めないのか? 真昼間から制服で新幹線だぞ? …誰も気にはしないらしい 虚しい… キュルルルルル~ 腹減った。 そう言えば昼飯まだだな。 カバンの中の弁当を見つめ、オレは母さんの事を思った。 ゴメンよ。なんか父さんみたいな事をして。 なんか最近父さんに似て来たな… そう思ってヘコむ事が増えた気がする。 父さんはサービス精神旺盛な人で「大風呂敷のホラ吹き誠吉」と親戚の人達に言われてたっけ。 そのくせ意固地で… って、まるで今のオレぢゃん! とりあえず腹ごしらえ。 と、オレは無心で弁当を食べた。 …母さん、またハンバーグにセロリ入れたな。
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